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下北沢八郎の場合

下北沢八郎の場合

アインシュタインの比熱の式

アインシュタインの比熱の式

 アインシュタインと聞いただけで難しいのかなと最初思ってしまった。それに比熱というのが今一つ理解していなかった。比熱は1℃上げるのに必要な熱量だったか。熱量という考え方がわかっていないのが悪いのかもしれない。

 アインシュタインの前には、古典統計物理学を用いたデュロン-プティの法則があったが、これは高温の時は実験値となかなかあうが、低温になるとはずれる。その後、量子力学的に導き出したのがアインシュタインで、これは実験値と一致している。

 手持ちの本では、まずデュロン-プティの法則を導く。

結晶内の原子はバネでつながっていると考えて格子振動を考えることにしている。そうすると、原子が持つエネルギーは運動エネルギーと位置エネルギーの2つを持つ。運動エネルギーと位置エネルギーに大して、平均値として等しくkbT/2が分配される。そのあたりは朝永振一郎の『量子力学1』が分かりやすかった。
1モル当たりの値にするためにアボガドロ数を掛けてやると、単体結晶1モルあたりの比熱は
     Cv=dE/dT=3NA kb=3R
 
 この式は高温だと実験値とあうが、低温になるとはずれる。このあたりのメカニズムは量子論を用いた説明が必要になって、それがアインシュタインの比熱の式になる。

 アインシュタインの比熱の式の求め方はあまり理解していない。量子論だとエネルギーが量子化されるが、そのときでもそのエネルギーをもつ確率はボルツマンの分布関数に従うとして、各振動数のエネルギーにその確率を掛けて総和を取った平均値を出す。

 量子力学での振動する粒子のエネルギーがまだあやしい。これってひとつの振動数だけ考えるんだっけ? 手持ちの本には、あるω0について計算しているけど。

 ごちゃごちゃ計算するとT→0のときは比熱は0に近づく。高温では3Rに近づく式が出てくる。

 比熱が0とはどういうことだ? 温度を1℃あげるのに必要な熱量はゼロでいいってことはどんなイメージだろう。等分配が崩れるということは、ある原子は振動しているが、ある原子は止まってじっとしていることなのか。エネルギーがこれ以上分けられない状態になっていて、それを受け取れる原子と受け取れない原子に分かれる。受け取れる確率はボルツマンの分布関数に従うのか。確率のところは量子化されるということはないわけね。

 ここで大切なことはなんなんだろう。固体物理学には量子力学が大事だってことか。原子の振動のエネルギーが量子化されていることはどんな意味があるのかはあとでわかるのかな。


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